アプリの地図機能と、ナビについて
LUUPのその性質上、広い道から狭い小路まで、スイスイと行けてしまいます。
ということは、有象無象のルートの中から最適な道を提案してくれるナビに頼りたくなるものです。
乗車中の目的地など只一つで、それはLUUPアプリで設定した返却ポート。
ところが、LUUPアプリには返却ポートまでのナビ機能がありません。(驚愕)
なので自分で他のマップアプリを開いて経路検索するしかないのです。
LUUPにお勧めのマップアプリ2選
2選と言うよか、2択かも。
というのも、電動キックボードの魅力は、自転車とほぼ同じ場所を通れて、ルートの自由度が高いこと。
つまり、通常のカーナビでなく、自転車だけが通れる道も提案してくれるマップアプリでないと、LUUPの良さを発揮できないのです。
1.王道: Googleマップ
迷ったらコレでいいでしょう。
使い方は、まず通常の経路検索をした後、”自転車マーク”を選択。
通行可能な道路が考慮された、自転車専用のルートが提案されるので「開始」を選択してください。
2.注目機能: Apple純正マップ
iPhoneを使っている場合、こっちもいい選択肢。
Appleマップ特有の、スッキリして美しい地図デザインで案内してくれます。
使い方は、Googleマップと同じく、経路検索後に”自転車マーク”を選択。
好きなルートを選択して、「開始」を選択してください。
そしてAppleマップの嬉しい機能を紹介。
上画像の経路選択画面で、「利用しない道路」をタップしてみてください。
すると、「坂道を避ける」「交通量の多い道路を避ける」の2つが選択可能に。
LUUPで交通量の多い道路を通りたくない場合、この選択肢は非常にありがたいですよね。
これらのアプリのイイトコロは、
・自転車で通りやすいように、車用のルートより急坂を避けてくれる
・時間帯に合わせて、ライトモードとダークモードを自動設定してくれる
(本体の設定に関係なく、昼なら白基調のライトモード、夜なら黒基調のダークモードにしてくれます。)
この機能のおかげで安全に&ラクにライドすることができます。
最大手のアプリなので、道路情報の更新や、混雑度や通行止め等の交通状況の反映が早いのもいいところ。
これらを使っておけば、間違いありません。
【必読】外部マップアプリの注意点
外部マップアプリを利用する際は、電動キックボードの通行可能場所、特にLUUPが定める”手押しゾーン”に十分注意しましょう。
これらのアプリが提案するのは、あくまで通常の自転車専用のルート。
提案されるルートには、LUUPが車道の走行を禁じている”手押しゾーン”ももちろん含まれています。
つまるところ、LUUPの”手押しゾーン”を考慮・回避したルート検索はしてくれません。
例えば、都道412号線(=六本木通り)はLUUPで車道走行可能ですが、渋谷駅付近でそれに直結する国道246号線(玉川通りなど)は車道走行禁止です。
ナビに従ってぼーっとしていると、気付いたら通行禁止場所に入っている、なんてことがザラに起こります。
LUUPアプリ上の地図では”手押しゾーン”は赤くエリア表示され、間違って入ることはないのですが、ナビのために他のアプリを開いてるとそれに気づくことができません。お気をつけください。
…LUUPアプリでナビが使えるようになるのが一番良いんですけどね。
切に感じたメリットにもスポットを当てる
アプリの使い心地が良い(超重要)
LUUPはその手続きの全てをアプリ上で行うため、アプリの使い心地が非常に重要です。
そしてこのアプリの操作感、素晴らしいの一言。
操作するにも迷いがなく、ボタンの押し心地もいい。
使っている上でストレスがないのはありがたく、ついつい開きたくなってしまいます。
ナビ機能はつけてほしいけど。
快適
LUUPは車道の左側を通行可能。
車道上の自転車専用通行帯や、車道とも歩道とも区切られた自転車道も、20km/hを上限に通行可能。
ただし、自転車歩行者道は通行不可。
なので、自動車や原付より行動範囲が広いです。
つまり、渋滞に強い。
車道が自動車や原付で埋まっていても、電動キックボードならその横を通過できちゃう。
特に交通渋滞が激しい都市部ではタクシーに対して時短効果が望めます。
それでいて自転車と違うのは、漕がなくていいということ。
体力を消耗せず、汗もかかない、これが快適でないわけないですね。
究極にハマる”ちょうどよさ”
LUUPが強いのは、「タクシーを拾うほどの距離でもないとき、タクシーだと高すぎるとき」だと感じました。
つまりタクシーより手軽だということ。
論より証拠、LUUPが”ハマる”例を、公式が紹介しています。
タイパだけでなくコスパもいいとのことですが、これは料金設定の明快さにも起因するでしょう。
タクシーは走行距離と時間の両方に応じて料金が決まる、つまり同じルートでも混みまくっていたら…時間もかかるし運賃は読めないし、ということが起こります。
同じ交通機関としてのLUUPなら、先述したようにルートや所要時間が混雑状況に大きく影響されにくいので、「基本料金¥50 + 時間料金¥15/分」の料金が前もって読みやすいです。
懸念点となりうる大きなデメリットまとめ
ルール以前に、乗り物としての不安定さ(物理)がある
乗ってみるとすぐ理解できますが、高重心ゆえに、その乗り味には常に緊張感が漂います。
そして走っていて実際に危険を感じる場面もあります。
体幹の必要性を感じる場面が多く、例えば足腰に不安を抱えている場合、自転車以上に乗りこなすのが困難だと思います。
根強い危険運転と、その風評
やはりLUUPに乗るのを躊躇するいちばんの理由はこれではないでしょうか。冗談抜きに。
私達が潜在的、いやもはや顕在的に抱いている電動キックボードそのものに対する危険意識もさることながら、既に乗っているユーザーの危険行為、相次ぐ重大事故、そしてネット上での非難の声を鑑みれば、自分が事故を引き起こしたり、乗っているだけで事故を引き起こす可能性がある危険人物と見られたりすることに警戒するのも無理ありません。
(ライド中はそこそこに周囲の目を引いている印象でしたが、交通ルールとマナーを守っている限り何か悪いことをしているわけではないので、視線など気にせず無視するよう心掛ければ特に苦痛ではありませんでした。)
乗れるシチュエーションが限られすぎている
荷物を持っている場合、(特に16歳未満の人を含む)複数人で移動したい場合、悪天候の場合、などなど、“いろんな状況で利用できる”という点では、やはり既存の公共交通やシェアサイクルに軍配が上がってしまいます。
複数人で利用する場合でも、各人がアプリを入れて会員登録を済ませなければいけないなど、同時に利用するハードルは高いはず。
いちばんありがちなのは、1人であったとしても安全運転を妨げる、トートバッグなどの持ち物を持っているために乗れない、といった場合じゃないでしょうか。
正直言って、交通ルールが理解りにくすぎ
乗るにあたって自分でも色々調べて痛感したのですが、電動キックボードに関する交通ルールの理解は困難を極めています。
結局どこを通っていいの?覚えなきゃいけない標識は?最高速度は?右折の仕方は?信号待ちで車道から歩道に進入する際は停止線を越えていいの?すり抜けはOK?車道の最左端を通っているだけなら自動車を追い抜いてもいい?路駐車両を避ける時はウインカーを出す?自転車では通っていいけど電動キックボードだと通っちゃダメな道路は?歩道走行できる機体とそうでない機体の見分け方は?電動キックボードならLUUP以外でも同じルールなの?これ全部、初乗車で理解しきっている人はいないんじゃないですか。
その理由としては…
これはまず、道路交通法そのものが不出来であること。
誰もが関係している身近な事柄を取り扱っている法律であるにもかかわらず、細かな場合ごとのルールが明示されていなさ過ぎて、読む人の解釈任せになっているという性質が否めません(なのに、警察官に不適切と判断されたら違反を取られる)。
言い換えると、違法/合法の判断をするのは素人にはムリだということです。
今回は自転車のすり抜けと自動車の幅寄せについて投稿したが、いずれも道路交通法に明確な規定が見受けられず、合法と違法の判断が難しいことがわかった。
https://ilovedemio.com/archives/17985
今回の本題でもありますが、予想通りというか、曖昧な感じで、解釈の仕方によって意見が分かれる所があるようです。
(中略)
例えば、神奈川県茅ケ崎警察署の場合は、自転車専用レーンの説明として、自転車専用通行帯は駐車禁止とホームページやチラシなどで明記しています。
ただ、これはあくまで神奈川県茅ケ崎警察署の管轄内にある自転車専用レーンのある区間が駐車禁止区間であるというのが理由のようで、自転車レーンかどうかは関係なく駐停車禁止の道だから駐停車してはいけないというだけのお話と思われます。
次に金沢市の自転車のルールを知ろう!というページでは、5分以内の停車は認められているものの、駐車は禁止であるとしています。
また、戸田市議会議員の真木大輔氏のブログでは第20条第2項&第47条第1項を根拠に『自転車レーン上での駐車と停車は、本来どちらも「道路交通法違反」です。』としています。
https://escape.poo.tokyo/parking-car-on-the-bicycle-rane/
適当に自転車のルールについて調べてみてもこれです。
もはやこの世の誰も理解していません。だから私も含めて、「この場合は多分こうするべきかもね」という責任を取り切らない言い方をするほかありません。
新しい乗り物とか新しいルールとかそういうものに、完全に道路交通法が追いついていません。
(つか、もはや新しい関係なく書いてないものは書いてない。)
次に、電動キックボードという乗り物自体が魔境であること。
同じ電動キックボードでも法律によりいくつかの区分に分かれており、それぞれで車両の仕様、乗車ルールの規定が異なっています。が、こっちからすればそんなの知らねーよ!って感じです。そもそも最近ようやく流行り出した乗り物なので、ほとんど誰も理解していません。
それによって、ルールが余計に複雑化していること。
そしてそれを調べようにも、2023年7月1日の法改正によって、法改正前の情報と法改正後の情報がネット上で入り乱れ、もうしっちゃかめっちゃかになっていること。
当記事では法改正後のルールのみを取り扱っているはずです。
最終的には、それらの交通ルールをわかりやすく全部まとめている媒体が(LUUP公式も含めて)この世に存在しないこと。
じゃあ取締りを行う警察はどうかというと、すぐに答えに辿り着けない警察庁のサイトのほか、検索結果の上の方に出てきた各都道府県警のサイトを見ては調べ直し、見ては調べ直しを繰り返すしかなく、それも各都道府県警の見解なだけで場所によって解釈は異なるのではないか?と疑心暗鬼になり無事終了。
終いにはLUUP公式でさえ教えてほしいことは書いてない始末。
LUUPが悪いというより、もう制度上の限界なのでしょうね。
わかんなくてもしょうがない、だから事故が起きるのも無理がない、今のLUUP界隈はこういう状況なんじゃないでしょうか。
【結論】結局どう?新たな選択肢としてアリ?ナシ?
免許を持ってない人は乗るべきじゃないと思う
割とはっきり言い切ってしまいましたが、本当にこの通りだと思います。
電動キックボードに関する規制はLUUPの働きかけで緩和されたばかりなものの、危険運転や悲惨な事故の頻発する現状を見ている限り、利用者から見ても利用者の交通ルールに対する理解が足りなさすぎると思います。
なにかと偉そうな筆者ですが調べても調べても理解しきれません。
そして実際利用してみて痛感しました。
軽車両(自転車)のそれだけでなく、自動車・原付の交通ルールの理解が求められます。
一例を挙げると、LUUPの提供範囲=都会ゆえに路線バスや路駐等、特にタクシーの乗り降りが多く、右後ろを確認して追い越すのか追い越さず前方車両の発車を待つのかの判断など、周囲の交通を見極められないと厳しい、即ち実車経験が必須という点など。
そういった意味で、免許を持っていない人-道路交通法の理解度を公的な試験で認められていない人に安全運転を求めるのは不可能で、やはり免許なしなら乗るべきでない、と強く感じました。
(注:厳密には、駐停車車両を回避することは道交法上の”追い越し”には当たりませんが、説明上そう表記しました。)
そしてそれ以外で交通ルールがある程度頭に入っている人は、よくわかんないルールがあっても乗って慣れるしかない、というのが実情のように感じました。
安全に使いこなせば便利な交通手段であるという点には完全に同意するので、柔軟にルールを受け入れて順応できる人であればアリ、ということになりますね。
さいごに
LUUPの提供エリアとして選ばれている場所は、即ち一定の利用者が見込める都会、つまり、当然交通量も多い場所。
だからこそ、交通ルール/マナーの無理解や身勝手な走法によって、自らの命をインスタントに危険に晒すことになります。
LUUPは非常に便利な交通手段として、今後さらに普及していくと思います。そしてその分だけ事故も増えるでしょう。
逆に色々な情報をもとに、“自分は乗らない”という選択を取るのもまた安全運転の1つ。
乗るなら乗るで慣れとか慢心とかそういうのは禁物、普段以上に安全第一を意識してライドするように心がけ、私たち自身でLUUPを安全なものにしていきませんか。
長々とした文章、ご清覧ありがとうございました。
皆様のシェアや拡散、お待ちしてます!