2023/11/9更新: 11月スタートの新料金と、6km/hモードの実乗車についての話を追加しました。
突然ですが、Twitter上で、「LUUP」と調べてみましょう。
LUUPを全国各地で議員が試乗してるのにものすごい違和感を感じる。
— 花ノン (@bluebeetle421) September 9, 2023
なんなのあれ。
うちの地元でも行われてて、高齢議員がノーヘルで乗ったりしてて、やめとけ!って思った。
次の選挙では
「公道で乗るのは危険すぎる」と答えてた議員に投票しようと思う。
luupが便利すぎて異常🛴
— 萩原 賢明|BtoB SaaS事業支援🦦 (@kenmei_hagiwara) September 3, 2023
微妙な距離感で行ってなかったところの行くハードルが下がるのでとても楽しい。
個人宅への訪問営業とかも効率上がりそ。 pic.twitter.com/pps8mnX5Va
なにこれLUUPの未来じゃん🤣 https://t.co/NQu62zbfBz
— ちんにい (@chinniisan) September 1, 2023
LUUPの契約時にルールに関するテストあったはずなんだがw#Luup #電動キックボード pic.twitter.com/7Pr1csTNpZ
— こじか (@o3_0125) September 8, 2023
明治通りの北参道駅付近で休憩してたら、LUUPの電動キックスケーターで2人乗りしてる馬鹿タレなサラリーマンを見かけた。
— 東福 (@8miniatures) September 9, 2023
飲酒運転もしてんじゃないかな〜。 pic.twitter.com/07syJUk8ij
こんな感じです。
悪意を持って酷評ツイートを選んでいるわけではありません。検索結果を上から適当に選びました。
電動キックボードをレンタルできるサービスの「LUUP」ですが、何故こんなに嫌われているのか。
実際に乗ってみて、その評価を確かめて来ました。
この記事を書くにあたって
筆者の私は普通自動車免許(一種)を所持しています。
記事執筆時の環境
・iPhone 13 mini(128GB), iOS 17.0.1
この記事の構成について
この記事は思ったこと全部書いているためとっっっっっっても長くなっちゃいました。
前半はLUUPの紹介と登録方法がテーマなので、実際に乗った感想からご覧になりたい場合はここからどうぞ。
LUUPを理解するための5W2H
What:何のサービス?
LUUPは電動キックボードと電動アシスト自転車のシェアリングサービスです。
https://luup.sc/service/
シェアリングサービスとは、レンタルのことだと思って大丈夫です。
主力となる電動キックボードの他に、電動アシスト自転車の貸し出しも行っています。
1人乗りのシェアサイクル/キックボードを面倒な手続き不要で、気軽に借りることができます。
Where:どこで借りて、どこを走れる?
貸し出し/返却場所:”ポート”
LUUPのポートは街じゅうに広がっています。駅前や繁華街、住宅街やコンビニなど、近くのポートから好きなタイミングで借りて、好きな場所に返すことができます。
現在は、東京・大阪・横浜・京都・神戸・名古屋などで展開しており、さらに拡大を目指しています。
https://luup.sc/service/
都会の街中と覚えておけばいいでしょう。
LUUPの電動キックボードや電動アシスト自転車は、無人の小さな駐車場”ポート”に設置されています。
1つのポートに数台のキックボード/自転車がまとまっていて、そのポートの数は、全国に4,000。
全国で4,000箇所といっても、都会の街中という限られた範囲の中の4,000箇所なので、提供エリア内での密度はかなり大きいです。
走れる場所:ほとんどの車道と、一部の歩道
キックボード/自転車ともに、基本的には車道を走る乗り物です!
そして、歩道を通行することは原則できません!!!
法律で認められている場合は、例外的に歩道を走行することができます。
キックボードの場合は、制限速度が車道走行よりさらに厳しくなります。
自転車とキックボードで、通れる場所/速度が違います。
走行可能場所/速度のルールはとても複雑なので、後ほど説明します。
When:いつ利用できる?
24時間365日、好きなタイミングで借りて、好きなタイミングで返せます。
貸出可能時間に上限はありませんが、バッテリーが切れると使い物にならなくなります。
それまでに返すべき、ということでしょう。
Who:使えるのは誰?
次の5つの条件を満たした人がLUUPを利用できます。
条件1:満16歳以上である (免許不要)
→最低限の知識、判断能力、身体能力、責任能力などを持ち合わせている必要があるからです。
利用可能年齢の上限はありません。
条件2:SMS受信可能な電話番号を持っている
→アプリで会員登録をする際に、最初に電話番号を利用してSMSで認証をしなければいけないからです。
条件3:有効な、本人名義のクレジットカードを持っている
→支払いにはクレジットカードしか使えないからです。
初利用=初乗車前に登録している必要があります。
(ただし、ブランドデビット/ブランドプリペイドカードも利用可能なので、クレジットカードを持てない16・17歳と、18歳の高校生でもLUUPを利用可能です。)
条件4:有効で公的な身分証明書を持っている
→なりすましや複数アカウントでの利用を防ぎ、本人確認、特に年齢確認を行うためです。
必ずオンラインで提出する必要があります。
条件5:アプリ内で、交通ルールテストに全問正解する
→交通ルールを理解しないまま乗車したことによる危険運転を防ぐためです。
1問でも間違えると、全問やり直しになります。
ただし、自転車だけ利用したい場合は、条件4と5は満たさなくても大丈夫です。
Why:なぜ電動キックボード?
LUUPは、日本の街や人々が抱える移動課題に寄り添い、誰もがいつでも・どこにいても自由に移動できる画期的な次世代インフラをつくっています。
従来は移動が不便だった街でも、LUUPによって交通の利便性が上がりアクセスが良くなることで、本来その街が持っていた住む場所やお出かけ先としての魅力の再発見を促すことができます。
https://luup.sc/why/
LUUPのポートは、毛細血管を繋いでいる小さな駅のようなものです。LUUPのポートを至る所に設置することで、徒歩だと遠いと感じる距離もLUUPを使えば数分で自由自在に移動することができます。そのように街じゅうを「駅前」のように便利にすることで、街全体の価値が上がる未来を目指しています。
https://luup.sc/why/
このコンセプトにもっとも適していたのが、電動キックボード(と電動アシスト自転車)だったかららしいです。
つまり、今までの電車・バス・タクシー・自転車・徒歩のどの手段も創り得なかった新たな価値を、電動キックボードという新しい交通手段で生み出そうとしているのですね。
How:結局どうやって使う?
全ての操作はアプリで行います。
アプリにはマップ機能がついているので、アプリ上でポートを探し、ポートに到着したらアプリ上のカメラで機体(キックボード/自転車本体のこと)のQRコードを読み込むことで、貸し出しが完了します。
乗車中はアプリのマップ機能を活用して、目的地のポートまで向かいましょう。
乗車終了時は、機体をポートの敷地内に駐めたら、アプリ上のカメラで機体の写真を撮影することで、返却処理が完了し、自動でクレジットカードを通じて料金が請求されます。
How much:いくらかかる?
料金体系は非常にシンプル。利用1回毎の基本料金¥50 + 時間料金¥15/分、この合計金額のみです。
自転車でもキックボードでも同じです。
入会費・年会費・月会費ともに全て無料で、何か事故とかをやらかさない限りこれ以外の料金は請求されません。
例えば、1回5分の利用では
基本料金¥50、時間料金¥15/分×5分=¥75、この合計金額の¥125が請求されます。
サブスクと違い、使おうが使わまいが毎月定額で料金が発生し続ける、みたいなこともないのが良いですね。
また、よく使うユーザー向けにはサブスクも用意されています。
「サブスクプラン」: 料金が¥200/30分になる。¥980/月。
サブスクといっても、定額乗り放題というわけではない感じですね。
通常30分利用すると¥500かかるので、10分料金で30分使えるのはいいですが、¥980/月が別でかかるので、通勤で利用するなど頻繁な利用がないと元を取るのは厳しいですね。
実際に登録して、乗ってみた
今回はキャンペーンで誰でももらえる60分無料クーポンを使ってみました。
初めての乗車でも使えるのがありがたいですね。
このキャンペーンはもう終わっちゃいました。
下準備
・まずアプリを入れましょう。
LUUPは会員制なので、アプリを入れたらまず会員登録を済ませることになります。
こんな感じで、指示に従って個人情報などの登録を一通り完了させましょう。
ある程度登録すると、マップ画面が出てきます。
このマップ画面がLUUPアプリのいちばん基本的な画面なので、覚えておきましょう。
さて、実際に乗車するために、最後の準備をしましょう。
さて、
①支払い用のクレジット(orブランドデビット/プリペイド)カードの登録
②年齢確認用の身分証明書の登録
③電動キックボード向けの交通ルールテストの全問正解
この3つを済ませると、本当に乗れるようになれます。
自転車を利用する場合は①だけで大丈夫。
ここでは、②について解説します。
圧倒的オススメはマイナンバーカードのIC読み取り。
その他の書類は、年齢確認書類の券面を写真撮影によって提出することになりますが、これはちょっとめんどくさいです。
辺りが薄暗かったり、年齢確認書類をどこか平坦な所に置ける環境じゃなきゃダメ:券面が隠れないように、ハッキリ見えるように撮影しなきゃいけないため。
ちなみに、公的な書類でないとダメなので、学生証とかはNGです。
マイナンバーカードを選択してみます。
まず、マイナカードを用意し、カードをかざす前に暗証番号を入力します。
ここでの暗証番号は、数字4桁のものではなく、正式名称「署名用電子証明書暗証番号」と呼ばれる、アルファベットと数字を6~16文字組み合わせた長いやつのほうです。
マイナカードの暗証番号の種類についてはこちら↓
(4種類記載されていますが、基本的に2,3,4つ目には同じ数字4桁の番号を登録している方が多いと思います。)
画面の指示に従って、カードを読み取ります。
iPhoneの場合は、カードを端末上部のカメラ側(画面側は❌)にくっつけて、動かさないようにしてください。
読み取りが完了すると、認証を行うので、数秒~数十秒待たされます。
オンラインでの確認なので、十分安定したネット接続を保ち続けてください。
これで認証が完了するはず。
ここまできたら、さあ実際に乗ってみましょう。
ちなみに、年齢確認を免許証の写真撮影で行ったから交通ルールテストをパスできる、みたいな機能はありません。
あと、LINEには電話番号から年齢確認ができる機能があるものの、LUUPにはありません。電話番号以外の情報もちゃんと照合したいんじゃないでしょうか(知らんけど)。
乗車開始:アプリで探したポートに向かおう
アプリのマップから、近くのポートを探してみましょう。
行ったポートに乗れる機体が1個もないと困るので、「機体あり」を選択してくださいね。
灰色で表示されているポートには機体がないので選択できません。
また、乗りたい機体の種類を絞れます。(画像左の、🛴🚲マーク)
今回はキックボードに乗りたいので、「キックボード」のみを選択してみます。
どっちでも良い場合は、両方選択することもできます。
ありました。ギリギリのラスイチ。
LUUPのポートは、道を歩いていると突然現れる印象なので、うかうかしてると見逃しちゃいます。
でも、特徴的な色のおかげでわかりやすいのは良い。
ハンドルのちょい右をよく見ると、QRコードがついています。
こいつを、アプリのここ↓から読み取ります。
提供エリア内や機体の目の前にいなくても実際に読み取れちゃうので、写真のQRコードは一部隠してます。
QRコードを読み込むと、返却ポートの選択画面が出てきます。
乗り始める前に、どこに返すか決めておかないといけません。
アテもなくうろつくなよ、ということです。
とはいえ、返却ポートはライド中に自由に変更できるので、アテもなくうろついて大丈夫です(どっちだよ)。
実際は、返却しようとしたらポートが埋まってる、みたいなことがないように返却枠を事前に予約しておける機能なのですね。
今回は、せっかく60分無料クーポンをもらったので、のんびり渋谷の方まで行ってみようと思います。
返却ポートを確定すると、出発場所と返却場所の確認画面が出てくるので、「いますぐライド」を選択。
すると、ライド開始前確認事項が出てきました。
乗り方や交通ルールが書いてあるので、必ず確認してください。乗り始めてからじゃ遅いです。(断言)
確認したら「次へ」。
再三の確認事項に同意してください。
「同意して、ライド開始」を押すと本当に乗車が確定します。
一瞬読み込みの時間を経て、勝手にキックボードが起動します。
前照灯と尾灯が光るのが目印。
車体下部のスタンドを畳んで、目の前の車道まで押していきます。
いくら乗り方の説明を読んだからと言って、実際に乗り始める時には「本当に今からいきなり乗って良いのか?」と不安になりました。
というか、最初は不安すぎて、しばらく歩道を手押しで歩いてました。
勇気を出して乗ってみる
しかし、ずっと手押ししてると「こいつ何でLUUP借りてるんだ?」みたいな目で見られる気がするので、時々立ち止まってスマホをいじって、「いま地図の確認してる最中なんですよ〜」感を出して乗り切ったり。
押してて気づいたんですけど、ハンドルが意外と曲がらないです。
もちろん子供用のキックスクーターと違い、ハンドルが1回転するわけはないのですが、それでも意外と曲がらない。
歩道程度の幅だと、Uターンするのは案外難しいかも。
返却のやり方:最後にひとひねり
今回は途中で返却ポートを変更してみました。
そして何やかんやで返却ポートに到着したら、返却処理を行います。
やることは簡単。
まずポートの枠内に機体を駐めて、スタンドを立てて固定。
でもこれだけじゃ終わりません。そこから一捻りです。
駐めた機体の写真をアプリ内のカメラで撮影し、送信。
これで数秒待てば返却処理が完了し、キックボードの電源が落ちます。
ライドを終了する際、ご利用者様には必ずポートにモビリティを停車している様子の写真を撮影してもらっています。アプリ内で写真を提出しないと決済に進めないようにしているのです。
https://note.com/luup/n/n4a928df5376e
ポートからはみ出る形で返却をしてしまうと、ポートオーナーや歩行者に迷惑がかかります。次に使う人も良い気にはならないでしょう。
先ほどの機能と同様、ご利用者様の利便性を少し阻害してしまうステップではありますが、広い目線で全体最適を考えると、やはり必要な機能だと思っています。
LUUPでは、停車後に撮影いただいた写真を確認し、綺麗に停車されているか、枠線からはみ出ていないかの確認をしており、対処が必要な場合は適宜対応しております。
返却時も、機体じゃなくアプリで操作するんですね。
機体にすることは、本当にスタンドを立てることだけ。
返却処理が完了したら、その場を離れてOK。
こんな感じで即料金確定→自動で決済の流れです。
クーポンがある場合はその場で自動で適用されます。何らかの操作をする必要はありません。
これでライドは完了です。